2022/10/16

インパクトが強すぎる

円仁の項に載せている『宇治拾遺物語』の「慈覚大師、纐纈城に入り給ふ事」は、学生時代、卒論を中世説話文学で書こうとしたときに、テーマに関連する説話のひとつとして取り上げた、思い出深い話です。卒論のテーマは、「説話を通して当時の対外意識を読み取る」だかなんだかそういう内容で(曖昧が過ぎる😓)、当時の人々にとっては海外というものは遠い存在だっただろうから、必要以上に恐ろしいものに見えていたのではないか、というような結論に持っていったように記憶しています。でもそういう趣旨を離れても、「纐纈城」ってめちゃめちゃ怖い話じゃないですか…。だって人が縛りあげられて、血をしぼられて、その血が染め物の染料にされるって………!!!!しかも、血をしぼる前準備として、食べ物にしゃべれなくなる薬を入れるとか、太らせる薬を入れるとか、しっかりしたホラー…。こんな話、どういう経緯でできあがったんだろう。なんにもないところから湧いて出たにしても、発想力…!って思うし、もしも、着想を得るような実際の出来事があったとしたら、それもそれで怖い…と思います。最終的にこのお話は、円仁の尊さを語って締めくくられているのだけど、中身のエピソードのインパクトが強すぎて、『宇治拾遺』の数ある説話の中でも、個人的に、脳裏に深く刻み込まれているお話です。

更新しました

PC不調事件も一応落ち着き、サイトの更新も再開しました。 『枕草子』に出てくる人物はひととおり網羅したはず…なので、次は『 十訓抄 』です。 わーい説話♪(趣味に走る) 『枕草子』のほうにも補足したいことがあるので、追い追いこちらのブログのほうに記そうと思います。